住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)とは、個人が住宅ローンを利用して住宅購入・リフォームをする際に、一定要件に基づいて金利負担が軽減される制度。年度末における住宅ローン残高の、0.7%が所得税から控除されます(所得税で控除しきれない場合は住民税の一部を控除)。
この住宅ローン減税の対象となるのは、新築住宅だけではありません。中古住宅、一定規模以上のリフォーム、100万円以上かかる省エネ・バリアフリー改修も対象となります。ただし、省エネ・バリアフリー改修ではリフォーム減税(特定増改築等住宅借入金等特別控除)を選んだほうが有利となるケースもあるため、慎重に確認しましょう(住宅ローン減税との重複は不可)。
住宅ローン控除は、2022年の税制改正によってその内容に変更が加えられています。もともと住宅ローン控除は2021年末をもって終了する予定でしたが、制度が4年間延長。2025年(令和7年)まで適用されるようになったため、2022年以降に入居する人も制度の対象となりました。
税制改正によって控除率も変更されています。2021年までの控除率は1%となっていましたが、2022年からの控除率は0.7%。これは、新築住宅・中古住宅共通の控除率となっています。たとえば年度末の住宅ローン残高が3,000万円だった場合、0.7%に該当する21万円が還付されるという計算になります。
住宅ローンの控除期間については、延長の措置が取られています。2021年までの控除期間は10年間となっていましたが、新築住宅・買取再販(不動産会社が買い取り、再販した中古住宅)に関しては13年間の控除が受けられるようになったのです。ただし、中古住宅(既存住宅)についてはこれまでどおり10年間となっています。
住宅ローン控除の対象となる借入額には上限が設けられていますが、その上限についても変更されました。住宅のグレードや入居した年によって借入限度額が決められており、その金額は2024年から引き下げられることになっています。
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新築住宅・買取再販(年) | 2022年~2023年 | 2024年~2025年 |
---|---|---|
長期優良住宅・低炭素住宅(認定住宅) | 5,000万円 | 4,500万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 |
その他の住宅 | 3,000万円 | 0円(2023年までに新築住宅の建築確認を受けている場合2,000万円) |
中古住宅については長期優良住宅・低炭素住宅に認定されていれば3,000万円、その他の住宅については2,000万円が上限となります(2025年まで)。
これまでの制度では所得金額の合計が3,000万円以下であれば控除を受けられましたが、改正後は2,000万円に引き下げられています。この場合の所得金額とは、年収から給与所得控除・特定支出控除などを差し引いた金額であり、これが2,000万円以上となる場合は住宅ローン控除の適用外となります。
「住宅購入診断士」を育てる協会の理事長及び住宅に特化したファイナンシャルプランナー「住宅FP」の協会理事も兼任。家族そろっての食事や子どもの外遊び…といった「家族の想い出の場所」になるはずの家。そんな大切な場所を、ご家族が思い描く人生設計の中で無理なく幸せに暮らす支援ができればと、住宅購入の不安や悩みを何回でも相談できる「おうちの買い方相談室」を発足した。
「住宅購入診断士」を育てる協会の理事長及び住宅に特化したファイナンシャルプランナー「住宅FP」の協会理事も兼任。家族そろっての食事や子どもの外遊び…といった「家族の想い出の場所」になるはずの家。そんな大切な場所を、ご家族が思い描く人生設計の中で無理なく幸せに暮らす支援ができればと、住宅購入の不安や悩みを何回でも相談できる「おうちの買い方相談室」を発足した。
2022年度の住宅ローン控除の改正で、控除率や控除期間などに変更がありました。しかしユーザーにとって、住宅ローン控除のメリットは大きいままだと考えられます。
たしかに改正によって控除率は1%から0.7%に引き下げられましたが、住宅ローンの残高に対して0.7%の還付を13年間も受けられるのです。ローン残高が3,000万円なら21万円が返ってきます、これだけあればちょっとした家族旅行も楽しめるでしょう。もちろん、住宅ローン控除のために家を購入するワケではありませんが、制度の恩恵を受けられるうちに利用したほうが良いと言えます。
ただし、住宅ローン控除については、金融機関であまり詳しく説明してくれないことがあります。長期優良住宅やZEH水準省エネ住宅といったグレードの高い住宅だと借入限度額が高くなる、といった情報です。控除について知らないと損をしてしまう恐れもあるため、自分自身でもしっかり学んでいくことが大切です。
住宅ローン控除は、基本的に新築住宅であれば問題なく受けることができますが、きちんと適用されるかどうかを確認することも重要。住宅メーカーやファイナンシャルプランナーといった専門家などに相談し、しっかりと申請を行える体制を構築しましょう。また、いざというときにきちんとフォローしてくれる専門家を側に置いておくことも大切です。
中古住宅の場合、建築された年度によっては現行の耐震基準を満たしていないことがあり、その場合は「新築住宅の適用条件+一定の耐震基準を満たす」ことが条件となります。一定の耐震基準については、以下のいずれかを満たさなければなりません。
増築やリフォームの場合も新築住宅の適用条件に加えて、以下のいずれかの条件に該当していなければなりません。また、工事費については100万円以上であることも条件となっています。
夫婦がそれぞれ独立した住宅ローンを組めば、双方ともに住宅ローン控除を受けることができます。
夫婦がそれぞれの名義でローンを組むには、「フラット35と民間住宅ローン」「フラット35と財形住宅融資」「どちらも民間住宅ローン」といった方法があり、どれを利用した場合でも借入範囲内で控除を受けることが可能です。ただし、各金融機関の抵当権順位における合意が取れない場合は、融資自体を受けられないこともあるので注意が必要です。
もうひとつは、夫婦の収入を合算する方法。どちらかの名義で住宅ローンを契約し、収入合算者であるもう一方は連帯債務者となる形です。このケースでも、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けることができます。ただしこの場合、控除を受けられるのは持分割合(不動産の所有権の割合)までの金額となります。
夫婦別々の名義で住宅ローンを組むのがペアローンです。まだ夫婦のどちらかが単独で契約しているケースが多いですが、高い家を頑張って買おうとする場合は1人だと厳しいこともあります。こういった場合、夫婦の年収を合算すれば借りられることがあるため、返済についてどの程度頑張れるか(夫婦2人ともが安定した収入を得ていけるかどうかなど)を考慮して決めると良いでしょう。
引用元:おうちの買い方相談室
(https://ouchino-kaikata.com/)
住宅購入の支援事業を中心に、子どもにお金の大切さを教える「キッズマネースクール」や保育園まで展開している、子育て世代を応援するビジネスを多く展開しているGOEN株式会社が運営する、何回通っても無料の住宅相談カウンター。
「おうちの買い方相談室」では、ファイナンシャルプランナー(FP)の中でも住宅に特化した「住宅FP」と日本住宅購入診断士協会認定の「住宅購入診断士」という、マイホーム購入の専門家が在籍。
資金計画と住宅選び、それぞれの分野について有資格者が客観的な立場でアドバイスを行っています。
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