結婚、子どもの誕生など家族を持ったときに視野に入れるマイホーム購入。これら節目のタイミングで“家を買う”ということを自然と考えるのは不思議ではありません。
しかし、『家を持つこと=幸せ』とは必ずしも言い切れません。 近年の低金利時代(2022年5月現在)に家を購入…と言えど、人生において大きな買い物です。 将来の老後を「老後2,000万円問題」もうたわれている時代。もしお子さんへの投資はしっかりしてあげたい!と思っている場合はさらに「教育費」もかかってきます。
最初に資金計画をしてもらったはずなのに、家を購入した後人生設計が変わって、毎月の住宅ローンの返済に追われる…ということもよくある話です。
当メディアに立ち寄ったご家族が、「理想の暮らし」を末永く楽しむことを願い、私どもやさしい住まいづくりの手引きメディア『やさすまっぷ』の編集チームが、家を購入するという選択だけではなく、「家を購入しない選択」も併せて切り込んでいきます。
住宅相談のプロ「住宅購入診断士」を育てる協会の理事長及び住宅に特化したファイナンシャルプランナー「住宅FP」の協会理事長もご兼任されている「おうちの買い方相談室」の三浦氏にコメントをいただきながら、住宅購入を考え始めた人にまず知ってほしい、賃貸と住宅購入の違いについて説明します。
皆さまご家族にはどちらの暮らしが合っているのか一度考えてみるきっかけとなれば幸いです。
まず、メリットとして挙げられる点は、家を購入する際にほぼ利用する住宅ローンがないことです。
一般的に購入から35年近く住宅ローンを払い続けなければならないため、家族の生活や子どもにかかる費用など、住宅ローンありきで考えることとなります。家を買わない=住宅ローンの負担がないということは大きなメリットといえるでしょう。
そのほか、家を持つと土地や建物に固定資産税がかかります。土地建物を所有している間は、年4回固定資産税の支払いがあることも忘れてはいけません。
反対に、家を持たないのであれば家を借りる必要があります。毎月家を借りることで家賃は発生するため、住宅費はどちらにしてもかかります。資産として残せないものに対してお金を支払い続けなければならないという点ではデメリットの一つです。
また、賃貸住宅では様々なルールがあります。楽器演奏ができない、庭やバルコニーでの水遊びやBBQは禁止等、ルールに沿った生活というものがベースとなります。
このようなルールによって、家族にとっての自由な暮らしの実現ができない可能性があることもデメリットといえます。
住宅を購入した場合のデメリットは、家を買わない場合のメリットとして挙げた住宅ローン、固定資産税などの支払いが長きに渡り続くという点でしょう。
世帯年収が減少してもローンや税金の支払いはしていかなくてはならないため、家計の負担にはなることは避けられません。そのため、家を購入することがゴールではないという点ことは覚えておいてください。
また、住宅を購入した場合は簡単に家を手放して引っ越すことができない点もデメリットです。近隣トラブルや環境が悪化したとしても、賃貸と違い、引っ越すという選択には大きな決断が必要となるでしょう。
しかし、住宅購入にはメリットも多くあります。
これまで賃貸住宅で子育てなどにおいて窮屈な暮らしをしなければならなかった家族にとっては、自由度が大きく広がります。子どもがのびのび遊べる庭が欲しい、趣味のバイク用にガレージを持ちたいなど、自分たちの希望をカタチにした住宅での暮らしができる点は大きなメリットです。
「住宅購入診断士」を育てる協会の理事長及び住宅に特化したファイナンシャルプランナー「住宅FP」の協会理事も兼任。家族そろっての食事や子どもの外遊び…といった「家族の想い出の場所」になるはずの家。そんな大切な場所を、ご家族が思い描く人生設計の中で無理なく幸せに暮らす支援ができればと、住宅購入の不安や悩みを何回でも相談できる「おうちの買い方相談室」を発足した。
「住宅購入診断士」を育てる協会の理事長及び住宅に特化したファイナンシャルプランナー「住宅FP」の協会理事も兼任。家族そろっての食事や子どもの外遊び…といった「家族の想い出の場所」になるはずの家。そんな大切な場所を、ご家族が思い描く人生設計の中で無理なく幸せに暮らす支援ができればと、住宅購入の不安や悩みを何回でも相談できる「おうちの買い方相談室」を発足した。
家を買う選択、買わない選択を判断するうえで、重要なポイントといえるのが「ご夫婦で人生設計を話し合うこと」です。 「おうちの買い方相談室」でも、「奥様はマイホームが欲しいけど、だんなさまはまだまだ乗り気ではない」といったご夫婦の考えが一致していないケースも結構多いんです。
例えば「子どもにぜひ医者になって欲しい」と願いを優先する場合、住宅ローンを組むことによって生活のバランスが崩れるようであれば、家を建てないという選択肢もあります。
もちろんお子さんが大学を卒業する際に、もう一度相談する機会があれば、いつでも設計しなおせます。 ですが、お子さんが大学を卒業する時に、大黒柱となるご主人がおいくつなのか、その時点で貯蓄はいくらあるかも踏まえて住宅ローンを組んでこそ、本来の描いていた暮らしができるのではないでしょうか。
そのためにまずは「資金計画」を立てるのですが、住宅ローンだけではなく、ご家族が思い描いているライフプラン全体を通しての『資金計画』を立てることが大切です。
家を買う際に“資金計画がしっかりとされているか”という点は、今後の家族の幸せな暮らしには欠かせないものだと考えています。
全体を踏まえて資金計画を作成したうえで、家を買わないという選択肢も出てくるかもしれません。もしくは“今は買うべきではない”という結論に至ることもあるかもしれません。
家を持つことが幸せと直結するわけではなく、どの選択が家族にとってより良いのかが大切なことなのです。
とはいえ、どんなことを夫婦で話し合わないといけないのかわからない…といった方も多いですよね。そんな方々に、私どもの「おうちの買い方相談室」では、ご家族が大切にするポイントを一緒に整理し、選択肢を提案しています。
ライフプランは、家族の数だけ異なります。
例えば、夫婦と子ども2人の4人世帯であっても、子どもの進学先が私立なのか、国公立なのかによって教育資金が変わります。
また、都心部への進学を視野に入れている場合は、家賃や食費が別にかかりますし、受験のために塾に通わせるのであれば、それらの費用も家計の支出の一部となります。
老後資金についても、年金の受給見込み額に対してどのような生活を送るのか、その頃には住宅ローンは完済しているのか等も資金計画として考える必要があります。
住宅費・教育資金・老後資金は、家族の暮らしと切り離せない3大資金です。住宅を購入する際は、これら3つの資金を踏まえたプランニングを行うことが大切でしょう。
ここでも『夫婦の考え』を話し合うことが重要です。
どのような家を建てたいのか、予算はいくらなのか、どのエリアに購入するのか等、夫婦でしっかりと意見を交わすことが後悔しない家づくりへの第一歩です。
お金についても、何を重視するのかを夫婦2人で話し合い、優先順位を決めておくこともポイントです。
一大決心といえる住宅の購入が家族にとって幸せな決断であるよう、まずは夫婦の考えをまとめましょう。もしまとまらない場合は、第三者に入ってもらってまとめるというのも、一つの手段です。
引用元:おうちの買い方相談室
(https://ouchino-kaikata.com/)
住宅購入の支援事業を中心に、子どもにお金の大切さを教える「キッズマネースクール」や保育園まで展開している、子育て世代を応援するビジネスを多く展開しているGOEN株式会社が運営する、何回通っても無料の住宅相談カウンター。
「おうちの買い方相談室」では、ファイナンシャルプランナー(FP)の中でも住宅に特化した「住宅FP」と日本住宅購入診断士協会認定の「住宅購入診断士」という、マイホーム購入の専門家が在籍。
資金計画と住宅選び、それぞれの分野について有資格者が客観的な立場でアドバイスを行っています。
ただ家を買うのではなく、家族との思い出の箱としての家を手に入れる、そして理想的な家を購入しながらも一生お金の心配をすることがない家計をつくる、そんなお手伝いをしています。